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その空はきっと泣いていた

エミヤオルタは記憶に残る限り、広く澄み渡る青空を見たことがなかった。
一番古い記憶であっても、自分はすでに英霊化し、人に望まれるまま人を殺し回っていた。その時は空の色など実際何色であっても、全ては赤だと感じていた筈だ。夕焼けの鮮やかな赤などではない、血に染まった色だ。
それでもまだ、根底から腐りきっておらず、人を助けたいと思う心でその殺戮に手を下していたように思う。善人までもその手にかけはじめ根底から腐りきってしまってからは、空の存在すら気にすることも無くなった。
自分にとってそれはまるで無意味だからだ。
すなわち美しいと感じる事などありもしなかった。

空はうつくしい。

それなのに、そう感じされられる事となったのはもはや偶発的で引きずられる感情も抗いようのないものだった。

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足長おじさんの微笑

鼻の頭に針が突き刺さってくるような、そんな凍てつく空の下では、閑散とした商店街はその寂しさを際立たせる。
そんな閑散とした先に隠れ家のような料亭が存在していて、俺と銀さんは20時から民政党の議員と会食の予定が入っていた。
現在18時を少し回った所、時間が少し早いので時間を潰すためのカフェを探している。俺としては、親子連れや若いカップルなどが居るようなチェーン店は避けて、オーナーが一人、厳選された豆を使いこだわりのコーヒーを飲ませてくれる雰囲気のある店に入りたかった。もちろん、銀さんに似合うように、である。

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遠きは日々の忘却か、溶ける涙の落ちる場所

 8月の陽気は日がとても長く、夕方になったことに気がつくのが遅い。ベランダに出るとまだ空は青く、僅かに遠くがオレンジをおび美しいグラデーションを奏でているだけだった。それでも時刻は18時を過ぎ、夜を迎える準備はできている。一日のうち、夕暮れの時刻の空が、最も美しい。人工的には作りえない人の目に響く混ざり合う補色は、もはやこの世界とは別世界だ。この幻想的な光景から人間が天国が空の上にあるという幻想を抱いてしまっても仕方が無いことで、それで心が安らぐのであれば否定などする気もないし、そんなこと思わなくても見ているだけで十分安らぎを与えてくれる。


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愛しさで絶望を抱きしめる

「いぃ!?そんなぁ、困りますよ!どうして俺が…!」

電話口に向かって声を張り上げた森田に、びっくりしたように銀二は目線を注ぐ。
いつもは電話の内容を後から報告してくるので、森田宛にきた電話に一瞥をくれあとは自分の部屋に行ったりリビングで本を読んだりして大して関心を示さなかったが、その時の森田の声は銀二の気を引くのには十分だった。
森田宛にきた電話は安田だった。
珍しく「森田に変わってくれ」と言うので少し不思議に思いながら森田に受話器を渡し、その場を去ろうとしている所だった。

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イカロスの涙

さて、この森田という人物に道を敷いてやると、まるで蛸壺に入るタコのようにすんなりと入り、真っ直ぐに歩いてくれる。

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